皮膚と鍼について

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<目次>


5.学び


普段はあまり意識しない皮膚表面への軽微な刺激によって、身体や心が良い方向へ変化したことを実感すると、なぜそうなったか自然と興味が出ると思います。
(少なくとも自分はそうでした)

生じた変化が元に戻ったように感じても、そのような皮膚(身体)感覚の記憶はどこかに残っており、全く元に戻るわけではありません。
特に興味と結びついた感覚の記憶はなかなか消えません。
そして皮膚表面へ鍼施術を受けた感覚を、イメージで再現するようになります。

はじめは意識的に、次第に意識しなくても再現するようになります。
イメージを再現することで、鍼を受けたときと似たような効果(変化)が生じるようになっていきます。
そして症状が起こった時や起こりそうな時に再現されることで、以前より落ち込みが少なくなったり抜け出すのが次第に早くなります。

体表の状態は身体と心の状態に深く関係しています。
体表をイメージで辿っていくことは「感じ取るトレーニング」であり、「触れるトレーニング」です。
普段忙しい日々をおくる中で埋もれがちな心身のアラームに気づくためのトレーニングとなります。
気づくことによって心身の偏りは戻っていきますし、他者との関係性をよりよいものにするためのトレーニングともなります。

コツとしては、易しいところからスタートすることです。

  • ○症状が強くない時に行うこと
  • ○症状がない所に行うこと
  • ○片側ずつ行うこと
  • ○ツボ(点)でなく太目の線でなぞるようにイメージすること
  • ○イメージした後、しばらく休憩して変化を確認すること

などです。

最初はある程度、定期的に鍼治療を受けるとやり方を覚えやすいと思いますが、ひとりで取り組んでいくことも可能です。
手の届く場所であれば自分で触れる、体表を意識しながらゆっくり動く、床の上で仰向けになり静かに呼吸しながら体表の感覚を味わう、なども効果的です。
人それぞれの性質に合ったやり方があります。
そして、

「①現状観察~②試してみる~③変化を確認」

といったサイクルを繰り返していくことで感じ取る能力が高まり、心身への理解が深まります。


身体(体表)の各部分に集中していくと、どうしても意識しづらい箇所が出てきます。
そのような部分が緊張と結びついています。
少しずつ意識していくことで、それまで抑えられていた緊張が表層へと出てきます。
慌てず、流されず、静かに観察していくことで、そういった緊張は解けていきます。

途中で後戻りすることや、精神的にきつい時期もあるかも知れません。
でも長い目で見ると少しずつ進んでいます。
そこでヤケにならずに進んでいけば、よい状態は着実に広がっていきます。
身体が楽になり、不安感など負の感情も低減していきます。

ミヒャエル・エンデは「モモ」の中で

“オソイホド ハヤイ”

という表現を使っていますが、それはこういったことにも当てはまると感じています。
何か急激な変化を求めるよりも、自然な方向に無理なく進行していると感じる方が効果的です。

それまでとは異なる、新たな感じ方・考え方・動き方のルートを切り開いていくことは学習です。
そういった創造や変化を実感すること、それ自体楽しいことです。
それは学習というより身体を使った遊びと言った方が近いかも知れません。
多くの人が子供の頃に感じていたこと(自由)です。
学ぶことに限界はなく、いくつになっても学ぶのに遅いということはありません。





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“一番難しいことは自分を知ること。一番簡単なのは人に忠告すること。一番楽しいことは学ぶこと。”

  ターレス (ギリシャの哲学者)

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